携帯電話各社が、シニア向けにインターネットのサービスを拡充している。携帯電話事業の収益源が、音声通話料からパケット通信料に移行し、インターネットを使っていないシニア層の利用を開拓することが収益増加に直結するためだ。【望月麻紀】
NTTドコモは今年7月に発売した「らくらくホン」シリーズの端末に、インターネット接続用の専用ボタン「らくらくサイト」ボタンを配置した。これまで専用ボタンのマークは「i」だったが、シニア層には分かりにくいと判断。サイトも改編し、アイコンに1~9の番号を付けて、テレビのリモコン感覚で操作ができるメニューを用意した。
KDDIはウオーキングのコースや消費カロリーなどを確認できる携帯端末用の人気ソフトに表示項目を簡素化したシンプルモードを用意している。このソフトは、起動すると位置情報などの確認のため通信が発生する。シニアに使ってもらって通信料を稼ぐ狙いだ。
ソフトバンクモバイルは動画配信サービス「選べるかんたん動画」で、大相撲やプロ野球、韓流エンターテインメントの動画を配信している。契約者は定期的に届くメールに付いている画像をクリックするだけで動画がダウンロードできる。
総務省の調査では、携帯電話端末でのインターネット利用率は09年末現在、全体(6歳以上)で約6割。最も高い20代では約9割に達しているが、60代前半は46%、60代後半は39%、70代では18%しかない。ある携帯電話会社の広報担当者は「使いやすさの問題だけでなく、通信料などのコストに敏感という事情もある」と言う。このため各社は通信料や情報料無料のコーナーも設けシニアの利用促進を図っている。
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